通勤が苦ではなかった
この会社を始める前までは、およそ片道1時間の電車通勤していました。
幸い始業時間が遅めだったので、いわゆる通勤ラッシュのピークが過ぎた頃電車に乗車していたので、通勤でうんざりするようなことはなかったです。
週末残業して遅い時間に帰るのはちょっと苦痛でしたけど。
父親が現役時代、やはり片道1時間〜1時間半程度の電車通勤をしていたため、そもそもそれくらいの通勤が当たり前なんだと思っていたので、一人暮らしを始める時も都内の職場至近で借りず、比較的家賃の安い川崎エリアを選びました。
高校の通学も電車で1時間弱、大学は2時間半くらいの電車通学していましたし、そんなもんなんだろうと思ってましたね。
そんな環境もあり、片道1時間程度の通勤は全く苦痛に感じたことはありませんでした。
往復の電車内で本が読めたし、Amazonプライムの無料映画も往復で1本見ることが出来ましたし、有意義に時間を使えていたと思っています。
職場の近くに住みたい
1時間程度の通勤時間は気にならなかったはずなのに、いつの頃からか漠然と「職場の近くに住みたいな」と思い始めました。
その漠然と思っていた気持ちがより強まったのは東日本大震災の後ですね。
当時は今よりも東京よりの横浜に住んでいましたが、職場から徒歩で3時間かけて帰宅しました。
その体験が、職住近接を望む気持ちを強めました。
「災害が発生したとき、家族のそばにすぐに戻れること」を意識しました。
そうは言っても中々すぐに行動に移すことはできません。
その思いとは逆に、職場から離れる場所に自宅を購入してしまいましたし……。
ようするに、以前ブログで書きましたが「まぁ、いいっか」で済ませてしまいました。
突き詰める
いったんは「まぁ、いいっか」で済ませましたが、上述のブログで書いた通り「すべての手を尽くして本当にどうにもならないのか?」で職住近接を考えました。
実現するための選択肢はこんなところでしょうか。
- 購入した自宅を売却し職場近くに引っ越す
- 職場至近に単身赴任
- テレワークで働く
- 転職する
1〜3は勤務先を変えずに環境を変える方法で、4は勤務先を変える方法ですね。
1は実際の生活を考えるとあり得ない選択肢で、2も無駄な出費が増えるだけで何のメリットもありません。
3は当時の社長にお願いをすれば実現できたかもしれないが、その場合は自宅を職場にする必要があります。
自分には自宅ではオンオフの切り替えができないだろうなと言う点と、子供達が家に帰ってきてからの騒々しい環境では仕事に適さないということで、これも実現を見送りました。
残るは4の「転職する」ですが、私の中ではこれが一番現実的でした。
転職か独立か
職住近接を実現するための手段として「転職」が現実的と書きました。
最初は文字通り「転職」を想定して、何となく求人情報をチェックしていましたが、中々希望通りの条件に合致する求職情報は見当たりませんでした。
いまは求人情報を探すよりも、自分のスキルや経験を登録しておいて、企業側からアプローチしてもらうのが一般的になってきているようなので、経験者の求人はあまり出ていないということも聞きましたが……。
そんな最中、10代の頃から遊んでいる友人と飲みに行った際、友人の一人が「それだったら自分でやれば?」と。
まさに目からうろこでした。
自分で会社をやるなんてことは想像もしていなかったので、「その手があったか!」と思いましたね。
同時に進められた本がこれでした。
これからは100歳まで生きる世の中になっていくので、今までのような働き方では厳しくなってくるだろうというようなことが書かれています。
確かに60歳で定年退職しても、年金がもらえるのは70歳。
そして100歳まで生きる可能性が高いとすれば、定年退職後40年生活をしていかなければなりません。
生活できるレベルの年金がもらえるかどうかは別の問題としても、少なくとも10年間無職で居続けられるほどの退職金がもらえるような境遇ではないとすれば、そのタイミングで再就職しなければならないことは必至。
そんなことなども考えた結果、気持ちは一気に独立する方向に傾いていきました。
すでに独立起業をしている友人が何人かいたので、日を改めて個別に相談に行き相談に乗ってもらい起業しました。
職住近接を実践して……
今現在、私の通勤時間は徒歩10分未満です。
以前の職場では、最寄り駅まで約10分だったので、その時間で自宅まで着けてしまうのは非常にうれしいですね。
朝も以前と同じような時間に家を出ても、以前より1時間早く仕事を開始できます。
夜も電車の時間を気にすることなく仕事をすることができる点も、リラックスして仕事が出来ていると思います。
終電が〜ということだけではなく、電車通勤していると「この時間に出ないと、家に着くの15分遅くなる!」とか、そういう不要な心配をしなくて済むということです。
家族の都合に応じて一旦自宅に戻ったり、子供を迎えに行ったりなど柔軟な対応ができるようになりました。
「仕事」のみならず「生活」の方も補えることが出来たのは大きいですね。
そんな訳で、私は職住近接を実践して正解でした。
ベンチャー企業の多くは「半径○Km以内に住めば住宅手当が出ます」とか「○駅以内に住めば住宅手当が出ます」などの条件を提示していることも増えてきましたよね。
独身だったりディンクスだったりする場合は、こういった制度の恩恵を受けることをオススメします。